あなただったら火事が起こった際、真っ先に何を持ち出しますか?

(もちろん、家族全員逃げられる状況で)

通帳と印鑑?

それとも、iPadやパソコン?

きっと、人ごとに回答は違ってくると思います。

時代は変わって、江戸時代。

江戸時代の商人が命の次に大切にしていたモノがありました。

一体、なんだと思いますか?

ちょっと考えてみてください。

答えは、顧客名簿(大福帳)です。

江戸の火災は267年間で1798回もあり、そのうち大火と呼ばれる大火災が49回も発生したともいわれています。

年間でも6.7回は発生していた計算になりますね。

そんな火事が頻繁に起こる江戸で商人はなぜ、商品でもお金でもなく顧客名簿を大切に持ち出したのでしょうか?

それは、

顧客名簿さえあれば、仮に店が全焼してしまっていてもまた商売が再始動できると考えていたからです。

顧客名簿でもある大福帳には売掛金や過去の取引すべてが記載されています。

商品が燃えてしまった人には申し訳ないと挨拶回りをしなければなりませんが、大福帳がなければそれすら難しくなってしまいます。

事情を伝えて、納得してくれたお客さんはまた同じ店から商品を買ってくれることもあったそうです。

(もちろん売掛金の回収漏れを防ぐ意図もあったと思います)

それでは、時代を現代に戻してみましょう。

現在のあなたは顧客名簿を管理していますか?

過去に名刺交換した人、6年前に商品を買ってくれたお客さん、一度連絡したっきりで終わった取引先の候補になっていた会社など、過去のいろいろなつながりがあると思います。

どんな形であれ、過去にあなたとつながったことのある方は次の利益につながるお客さんかもしれないのです。

Excel、スマホアプリ、CRMなど、どんな形でもかまいませんが、データは積もれば積もるほど整理が大変になります。

今のうちから、新しい商品やサービス、キャンペーンなどをお知らせし、あなたの利益の源泉となり顧客名簿が整理されているかの確認を忘れずに。

とはいえ、人によっては顧客名簿の整理よりも

新しい顧客をどう集めるかの方が大事だ!と思っている方もいるかもしれません。しかし、一説によると既存顧客に比べ新規顧客は5倍のコスト(労力、時間)がかかるとも言われています。

詳しくはこの過去記事をみてくださいね。

新規顧客と既存客、それぞれへの販売までに要する労力を考えると、今てもとにある顧客名簿をどう有効活用するかの方に利点が多いことは理解いただけると思います。

また、事業の立ち上げ期であれば新規顧客も重要になってきますが、現代であれば、自動で新規見込み客リストを量産する方法も複数あります。

それについては、また別の記事にて書きますね。

本日はここまで。

あなたの事業の利益が今より残り、あなたの事業と人生がもっとよくなることを願って。