お会いする管理職の方々が挙げるTOP5には必ず入る悩みとして従業員の離職があります。

あなたもきっと、知り合い同士で情報交換や食事をしていると話題に挙がるイメージがあるのではないでしょうか?

特に中小規模の企業にとっては有能なスタッフ1名が抜けるだけで経営に対するインパクトが大きなケースが少なくありません。


そんな中で、有能なスタッフである従業員や幹部候補に辞められないように…

・仕事以外に食事や話をする機会を持つ
・モチベーションを保つための福利厚生の追加
・人事評価制度の構築、整備

などなど、ミクロなことからマクロなことまで努力されている方が少なくありません。

けど、結局は辞めてしまう人は辞めてしまう…。

「だったら俺はどうすれば良かったんだ!!!」

と叫びたくなるほど、手を尽くし、策を尽くしたのに結局は辞めてしまう


今日のブログはそんな方のための処方箋です。

日本をしょって立つ大企業のトヨタでは仕事の成果も求められますが、同時に自分の”分身”を何人育てられたかも評価の一つになっています。

トヨタの場合は、自分の”分身”を育ててから、次の役職へ上がっていくので、リーダーが一人抜けても組織が停滞することはないそうです。


確かに”分身”の育成は重要です。

しかしながら、有能なスタッフの離職はたいてい、突然であったり、”分身”育成のための十分な期間が確保できない。というのも現実的な悩みだと思います。

なので、私からは上記の考え方に加えて、さらにもう一つ。

有能な人材が辞めてしまっても問題のない環境づくりに徹することです。

有能な人が辞めて、仕事が回らなくなってしまった。

という問題に対する解決策として、

人にフォーカスした場合は”分身”をつくるという方法がありますが、こちらの方法は仕組みにフォーカスするのです。

その有能な人がいつか抜けても大丈夫なように…

有能な人が居るうちに、各作業のフロー図をつくることやマニュアルの作成をやってもらい、その人の行動を標準として落とし込む。

そうすることで、その人が辞めてしまったとしてもこれまでと同じ仕事の仕組みが継続できます。

もちろん、有能なスタッフと100%同じ、質と効率でこなすことは難しいですが、作業のフロー図やマニュアルがあることで最低限やらなければいけない行動を後任者が実行できます。

有能なスタッフが抜けて、一気に作業の質や効率が下がってしまう部署があったとしたら、大抵の場合、有能なスタッフが実行していた作業の流れや作業自体が抜けてしまい、トラブルにつながっているパターンです。

そして、この手のトラブルは有能な人が当たり前にやっていた小さなコツや小さなポイントが抜けてしまうために大きなトラブルになってしまうケースが少なくありません。

逆説的ですが、いずれ人は辞めてしまう前提でそのあとも組織が継続できるような環境づくりも有能な人のタスクとして織り込んでいく。

その上で、きちんと”分身”や”後継者”も育成できていたとしたら最高ですよね。

私のお師匠のひとり(トヨタ自動車OB)によくこんなことを言われていました。

「日向君。君の後継者は誰だい?ある程度今の仕事にも慣れてきたようだけど”後継者”は誰かそろそろ意識しはじめたら?」

驚くべきことに、お師匠と一緒に毎年3回ほど定期開催していた研修を初めてまだ1年経たない頃(確か半年ほどだった気がします…)から既に私は”後継者育成”について意識づけをされていました。

あなたの”分身”はだれか?
あなたの”後継者”はだれか?

お師匠(トヨタ自動車OB)にはこんな感覚が当たり前の感覚として根付いているんだよな…と改めて思い出しておりました。

あなたにとっての”後継者”はだれでしょうか?
あなたの現場の有能なスタッフの”分身”はだれでしょうか?

今、頭に浮かんだ部下のためにあなたは”後継者”としての教育や助言を始めていますか?


本日はここまで。

あなたの事業の利益が今より残り、あなたの事業と人生がもっとよくなることを願って。